Shima no Ama(志摩の海人)
何世紀もの間、海女は日本人の想像力を養ってきた。海人は、アワビ、貝、海藻を集め、それを売ることで家計を自立させる。浦口楠一(1922-1988)は、1950年代半ばから30年以上にわたって、日本の太平洋沿岸の志摩地方で海女を撮り続けてきた。そのほとんどが未発表のものである。風景、ポートレート、水中写真からなるこの驚くべきアーカイブは、海女たちの日常生活と日本社会における特別な位置づけを物語っている。
浦口の写真は、戦後日本を席巻した都市化の波の中で、これらのコミュニティが大きな変化を遂げた現代性と同様に、文化遺産についても語っている。対照的な黒と白の造形的な強さ、デフレーミングのセンス、自然体のジェスチャーなど、彼の写真言語は、身体の自由、連帯、独立の精神を讃えている。
この作品のさまざまな側面に光を当てるため、この共同体の神秘的な世界を解き明かすソニア・フォス(キュレーター)によるテキストと、この作品を写真史の中で位置づける港千尋によるテキストが添えられている。日本の民俗学者、瀬川清子の著作に触発され、漁業とダイビングの世界に捧げられた用語集は、その分野の豊かさと技術性のすべてを明らかにしている。
― 出版社説明文より
- 判型
- 280 × 220 mm
- 頁数
- 168頁、掲載作品119点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2024
- 言語
- 英語