ラリー・クラーク
Larry CLARK
1943年、アメリカ生まれ。60年代に兵役を終えて戻った故郷オクラホマ州タルサで写真活動を始める。失われた青春期への思いを託しつつ、ドラッグに溺れたティーンエイジャーたちの実態を、赤裸々なモノクローム・ルポとして記録。写真集『タルサ』('71)として発表し社会に衝撃を与えた。その後長く写真家としては謎の存在だったが、同じく少年たちの行き場のない欲望に向き合った『ティーンエイジ・ラスト』('83)で表舞台に。彼を、現代アメリカの狂気と捉えるより、思春期のピュアネスへのアプローチとして再評価する動きが90年代のアート界で高まり、アーティスト、マイク・ケリーが共鳴を示すなどカリスマ的存在に。マーティン・スコセッシ監督らの助力を得て『KIDS』('95)で映画監督デビュー。その後も『ケン・パーク』『ワサップ!』など精力的に映画制作を続けている。(金子義則)