鶴と亀 禄
『鶴と亀』は奥信濃のリアルなストリートカルチャー。
じいちゃんばあちゃんの日常ライフスタイル。
ここだから出来ることを、ここでやる。
きっかけはいつだって足元に。発信源は奥信濃。
でも、そういう土地でじいちゃんばあちゃんは案外楽しくたくましく生きている。延々とループする「お茶のみ」噂話に興じ、電動カートで坂道を爆走し、温泉ランドでカラオケを絶唱し・・・。ファンキーだったりドープだったりする『鶴と亀』の誌面が、ユーモアをまじえながら突きつけてくるもの、それがそのまま田舎のリアリティなのだ。
(中略)
飯山はブロンクスではないし、じいちゃんばあちゃんにパンク・スピリットがあふれてるわけでもないけれど、「着たいように着る、生きたいように生きる」奥信濃の鶴と亀たちの生きざま=アティチュードが、期せずして既成の「おしゃれ哲学」にメンチを切る、アンチファッションのステートメントになっているように思えて仕方がない。ちょっとひしゃげて頭に載せた農協帽子は飯山流のNYキャップなのかもしれないし、ばあちゃんたちの手拭いづかいはサウスLAあたりのギャングスタのバンダナづかいと、どんなに近しいことか。
― 都築響一【ROADSIDERS' weekly】2017/10/25号 Vol.281 より引用
- 判型
- 276 × 215 mm
- 頁数
- 223頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2019
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-775528-91-4