日本写真史の至宝 初夏神経
本書では浪華写真倶楽部の中心メンバーだった小石清の鋭敏な感受性が多彩なテクニックを駆使して展開されている。金属(ジンク)板の表紙という斬新な造本は、その表現意欲の高まりを如実に表す。この特殊な大判写真集を完全再現。飯沢耕太郎(写真評論家)と金子隆一(写真史家)による解説文を収録。
「1933年当時、日本の前衛写真はまだ未成熟な状況にあった。小石清はヨーロッパのモホリ=ナギやマン・レイの写真技法を駆使すると共にその実験精神に倣うことで、彼らが新たに切り開いた道を追求していった。小石清の写真は、動きに対して静止を、ノスタルジアに暴力を、魅惑的な水と光の流動性には身の引き締まるような鉄の峻厳さを対置している。彼の写真にみられる明白なエネルギーや近代的な素材の使用は、日本の現代への移行を反映している。現代生活における自然の役割がこれ以上減らないことを痛切に訴える詩を添えながらも、「新しく発生するもの」に自身が魅了されていることも認識している。小石清は、革新ということのお手本をこの驚嘆すべき本で提示しているのだ。」
― アン・W・タッカー(ヒューストン美術館)
― 出版社説明文より
- 判型
- 367 × 285 mm
- 頁数
- 50頁
- 製本
- ハードカバー、ケース
- 発行年
- 2005
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 600
- ISBN
- 978-4-336-04485-3