林忠彦賞
写真家・林忠彦の多彩な業績を記念して、1991年に創設された林忠彦賞。当初はアマチュア写真の振興を目的としていたが、第18回からは対象をプロ作家にまで拡大。写真関係者からの推薦作品と公募による自選作品の中から、選考委員による審査を経て、毎年3月上旬に受賞作品が発表される。
第28回 2019年受賞作は野村恵子『Otari - Pristine Peaks』
タイトルの「Otari」は、長野県北安曇郡小谷村の「小谷(おたり)」のこと。北アルプスを望むこの豪雪地帯の厳しい自然と共に暮らす人々の営みを記録した本書で、野村恵子は第28回(2019年)林忠彦賞を受賞。
今も根付く狩猟文化の様子、山岳信仰の火祭りにみる民間伝承、山村に訪れる四季の風景など、集落の日常の記録に加えてカメラが写し出すのは、その地に暮らす女性のポートレート。
これまで自身のルーツである沖縄や、女性特有の身体性をテーマにした作品を多く発表してきた著者の、持ち味と新境地が違和感なく織り交ぜられた、静かで力強いドキュメンタリー写真群。
近年の受賞作品リスト
第27回 2018年
第26回 2017年
第25回 2016年
第24回 2015年
第23回 2014年
笹岡啓子『Remembrance』
第22回 2013年
小林紀晴 “遠くから来た舟”
第21回 2012年
佐藤信太郎『東京|天空樹』
第20回 2011年
第19回 2010年