御菓子丸の菓子
御菓子丸がスタートして10年の節目に、これまでの30の菓子を紹介する作品集を刊行いたします。
食べて消えることに表現の可能性を感じてきた御菓子丸の杉山早陽子は、食べる行為を一つの体験として捉え、記憶に残る一瞬を菓子に込めて制作してきました。近年では野草なども含む四季折々の様々な素材を用い、生菓子から干菓子まで、御菓子丸でしか表現し得ない、視覚的でありながら、味覚的にも発見や驚きのある味を探求しています。本書では来田猛が撮り下ろした写真と、杉山による菓子の解説を中心に構成し、巻末には御菓子丸の創作の工夫やエッセイなども交えています。御菓子丸のこれまでの菓子のエッセンスを揺るぎない姿勢と共にまとめた美しい本が生まれました。
― 出版社説明文より
御菓子丸が生み出す菓子は、高度な構成によって象りうるはずもないものを象るという点で、厳密に和菓子である。しかし、それが同時に、「崩れるもの」というイメージの徹底において理念的な事物を、ひいては自然物さえも永遠の相のもとで開示するのならば、それは存在したことのなかった和菓子なのかもしれない。
― 藤田 周(本書「御菓子丸、存在しないものを象る和菓子」より)
- 判型
- 252 × 186 mm
- 頁数
- 168頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2024
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-907562-52-6